日本は安全な国なの?

この数年窃盗認知件数は低下傾向にあるが・・・

 「下の図は昭和55年から平成21年までの窃盗犯の認知件数、検挙件数及び検挙率の推移を示したグラフです。
 図中の棒グラフを見ると平成14年をピークに窃盗犯の認知件数は年々減少傾向にあり、警察や自治体又は地域の取り組み等により犯罪件数が減ってきたようにも思えます。
 しかし、この認知件数とは警察に被害届が出されるなどして、警察が認知した犯罪の件数であって、被害者が気付かない又は被害届を出さないなどの理由で警察が認知できない犯罪の数を含んでいません。
 一方、赤い折れ線グラフで示された検挙率は、平成21年が27.9%と昭和50年代、60年代と比較して半分程度に落ち込んでいます。

 窃盗犯の認知件数、検挙件数及び検挙率の推移出展:平成22年版犯罪白書

 次の図は平成2年から平成21年までの窃盗犯の手口別認知件数の推移を示したグラフです。
 このグラフからは乗り物盗や非侵入盗と比べると侵入盗のピーク時からの減少は限定的であり、対策の余地が多いことが分かります。

 窃盗犯の手口別認知件数の推移出展:平成22年版犯罪白書

諸外国と比べても・・・

 下の表は日本及びフランス、ドイツ、イギリス、アメリカの5カ国の2004年から2008年までの窃盗犯の認知件数、発生率及び検挙率の推移を表したものです。
 日本の窃盗犯の認知件数は他国と比較して少ないものの、検挙率については日本に比べて治安が悪いというイメージを抱きがちな欧米各国とあまり変わらない数値となっています。
 以上のような統計値を見てみると、窃盗に関して言えば日本の治安は最悪期から脱しつつあるものの、治安の良いと言われた昭和後期の状況からは程遠く、むしろ多くの日本人が治安が悪いというイメージを持つ欧米各国に近い状況に状況にあることがわかります。

 欧米の窃盗犯の認知件数、発生率及び検挙率の推移出展:平成22年版犯罪白書

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